膜厚測定,分光測定,分光エリプソメトリー,スペクトル解析のテクノ・シナジー

光学用語解説:【ら行】 ~

光学用語解説

【ら行】

ランバート・ベールの法則 Lambert–Beer_law

強度I0の光が吸光係数αの吸収媒質に入射して距離x 進んだあとの光強度I を吸光係数αと距離x の関数として表す式. I0 は入射光強度,透過距離x 進んだあとの光強度をI,吸光係数はαです.

ランバート・ベールの法則

ここで,I0 は入射光強度,透過距離x 進んだあとの光強度をI ,吸光係数はαです. ランバート・ベールの法則の式は,モル吸光係数εとモル濃度x の積を使って書き換えることができます.

量子光学 quantum optics

量子力学を基礎として,光を電磁波ではなく光子として扱い,光の振る舞いや光と物質の相互作用を研究する光学の分野.

臨界角 critical angle

屈折率が大きい媒質から小さい媒質に光が入射するとき,ある角度以上の入射角において,光は境界面で全反射されます. 全反射が起こる限界の入射角を,臨界角θc と呼びます. 入射角が臨界角に等しいときには,屈折角は90°になります. 臨界角より大きな入射角では,スネルの法則(屈折の法則)の式で屈折角は解を持ちません. つまり,透過媒質中で光が伝搬できる屈折角が存在しないため,全ての光は界面で反射されます.

ガラス-空気界面の臨界角
ガラス-空気界面の臨界角

→ 執筆書籍紹介|『ビジュアル解説 光学入門』

レイリー散乱 Rayleigh scattering

→ 散乱 

レイリーの分解能(レイリー基準) Rayleigh criterion

   点光源からの光を理想的なレンズで集光しても,光は一点には集まらず,エアリーディスク の広がりを持った像が形成されます. そのため,近接した 2 つの像は,ある距離より近いと分離することができません. 例えば,光度が等しい近接した 2 つの星を望遠鏡で見たときに, 2 つが分離して見える条件として,「 2 つの像の中心が,エアリーディスクの半径だけ離れていること」と定義するのがレイリーの分解能です. 図中のレイリーの分解能を表す式で, Δr は分解能(分解できる 2 点間の距離), λ は波長, NA (開口数)はレンズが集光する立体角の大きさを表しています. 係数の 0.61 は, Δr をエアリーディスク半径と定義したレイリーの分解能の場合であり,他の分解能定義では値が多少異なります.
→ 回折限界
→ 分解能

レイリーの分解能
レイリーの分解能

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→ 執筆書籍紹介|『イラストレイテッド 光の科学』

ルミネッセンス luminescence

   物質からの発光の総称.蛍光色素のように光を吸収して発光する現象はフォトルミネッセンス,電圧をかけると発光する現象をエレクトロルミネッセンスといます. これ以外にも,ケミルミネッセンス(化学発光),熱ルミネッセンス,摩擦ルミネッセンスなどがあります.
→ 蛍光・燐光

蛍光鉱石:珪酸亜鉛鉱/方解石のフォトルミネッセンス測定例(365nmLED励起1 蛍光鉱石:珪酸亜鉛鉱/方解石のフォトルミネッセンス測定例(365nmLED励起2
蛍光鉱石:珪酸亜鉛鉱/方解石のフォトルミネッセンス測定例(365nmLED励起)

→ 膜厚測定アプリケーション|紫外LED励起顕微PLスペクトル測定
→ 膜厚測定アプリケーション|紫外LED励起顕微PLスペクトル測定 2
→ 膜厚測定アプリケーション|希土類添加cBN単結晶の顕微PLスペクトル測定

レーザー laser

   光励起状態にある物質に光が入射した時に,入射光と同じ波長・位相の光が物質から放出されて光強度が増す現象である誘導放出を利用して,単一波長で位相の揃った光を作り出す光源装置. Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation (輻射の誘導放出による光増幅)の頭字語から命名されました.

気体レーザー: レーザーの中で光励起状態としてガスを用いるもの. 主な気体レーザーにヘリウムネオンレーザー,アルゴンイオンレーザー,チッソレーザーなどがあります. 気体を励起するのには放電を用います.

固体レーザー: レーザー媒質として固体を用いるもの. レーザー媒質には,蛍光性のあるルビー,ガーネット,サファイヤなどが用いられます. これらの材料を励起するのには,キセノンランプや他のレーザーを用います.

色素レーザー: レーザー媒質として蛍光色素の溶液を用いるもの. レーザー発振をある波長範囲で調整することができます.

半導体レーザー: 発光ダイオードの光を共振器に閉じ込めてレーザー発振するようにしたレーザー. 電流の注入によりレーザー発振するようになります.

レーザーポインター
レーザーポインター:赤,青は半導体レーザー,緑は固体レーザー ( YAG ) の倍波

レンズ豆 Lens culinaris

   光学用とで使われる「レンズ」の語源は,レンズ豆を表すラテン語の "lentil" だといわれています. レンズ豆は,両凸レンズのような形をした直径 5mm 程度の豆で,スープなどに入れて食されます.

レンズ豆
レンズ豆

【わ行】

ワイヤーグリッド偏光子 wire grid polarizer

   ワイヤーグリッド偏光子は,透明な板上に波長程度の間隔で金属ワイヤーが並べられた構造をしています. 金属ワイヤーを波長程度の間隔で規則正しく並べる必要があるため,従来は比較的波長の長い領域用偏光子が多かったのですが,最近は,可視領域に対応する製品も市販されています. また,金属薄膜と誘電体薄膜を交互積層した金属 / 誘電体積層型偏光子もワイヤーグリッド偏光子と同様の原理に基づいています.

金属 / 誘電体積層型偏光子(ワイヤーグリッド偏光子)の原理
金属 / 誘電体積層型偏光子(ワイヤーグリッド偏光子)の原理

 

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