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SCOUT講座1 「コンピュータシミュレーションによる光学スペクトル分析」 (3/13)

2.3 単純な分析法の近似は避けよう

単純な分析法は, 多くの場合, 簡略化を目的とした仮定の上に成り立っています. 単純な分析法の例は,
  • 透過率スペクトルから吸収スペクトルへの変換
  • 拡散反射スペクトルから, いわゆる Kubelka-munk 関数への変換
  • フーリエ変換手法を用いた反射率 / 透過率スペクトルの膜厚解析
  • スペクトルシミュレーションは, 分光学, 光学を教えるための理想的な教材である.
  • 単純なサンプル系における反射率および透過率スペクトルからの光学定数の直接決定

などです. これら全ての簡便法は, 簡略化に必要な仮定の大部分を避けながら適用できるスペクトルシミュレーションに置き換えることが可能です.

しかしながら, スペクトルシミュレーションは, 上記簡便法と比べて「お気軽」とは言い難く, 最適な光学モデルの開発には多少の時間と熟練が要求される場合があります.


2.4 分光計ハードウエアのチェックにスペクトルシミュレーションを使おう

光学特性が既知で再現性良く製造可能なサンプルのシミュレーションスペクトルは, 光学測定系のパフォーマンスをチェックするのに使用することができます. お手軽でシンプル, その上大変役に立つ反射測定アクセサリーのテスト方法は, 特定の入射角と偏光条件に対するシリコンウエハの反射率測定データとシミュレーションデータを比較することです. 反射率スペクトルのシミュレーションは, シリコンの光学定数ライブラリーデータ (そして, その表面に存在する自然酸化膜) をベースに計算することができます.
図4図4

正確な反射率 / 透過率測定に対する同様のシンプルなテストは, 通常の顕微鏡用スライドガラスで行うことができます. 測定スペクトルは, シミュレーションスペクトルから1~2%より大きくずれるべきではありません.
図5図5

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