膜厚測定,分光測定,分光エリプソメトリー,スペクトル解析のテクノ・シナジー

スペクトル解析ソフトウェア SCOUTユーザーのための技術情報スクエア SCOUT倶楽部

SCOUT講座1 「コンピュータシミュレーションによる光学スペクトル分析」 (7/13)

3.4 スペクトル

次に挙げるスペクトル測定モードに対して, 任意の入射角, 任意偏光におけるスペクトルシミュレーションを容易に行うことができます.
  • 反射率
  • 透過率
  • エリプソメトリー
  • ATR ( attenuated total reflection )

※ M. Theiss Hard- and Software 社製スペクトル解析ソフトウエア SCOUT では, 上記モードに加えて, フォトルミネッセンス, エレクトロルミネッセンスなど, 蛍光スペクトルに対するスペクトルシミュレーションが行えます (図15)
図15図15
複数スペクトルの同時フィッティングの場合, トータルなフィッティング残差 (測定スペクトルとシミュレーションスペクトルのずれ) の計算に対して, それぞれのスペクトルは独立した「重み」を持つべきです.

3.5 パラメーターフィッティング

コンピュータシミュレーションによるスペクトル解析の最終段階は, フィッティングによって決められるべき光学モデルパラメーターを選んで合わせ込むことです. トータルフィッティング誤差は, 相関が非線形で多くの場合予測不能なフィッティングパラメーター値に依存するので, 求めたいゴールのフィッティング誤差極小点の他に多くのローカルミニマム (局所解) が存在することがあります. 実際の収束演算を始める前に, パラメーターの範囲を狭めることは, 多くの場合, 局所解を避けるのに効果です. これは, インタラクティブに, または適切な自動テスト計算 (後述するグリッド・フィット) によって行うことができます. 例えば, シミュレーションスペクトルで正しい干渉フリンジの次数を探すことなどは, 一般的な問題といえるでしょう. この問題は, しばしば, 予め定義されたサーチ範囲の中で膜厚値をスキャンするグリッド・フィットによって解決することができます. 膜厚の初期値として, グリッド・フィットにより得られた最適な膜厚値を採用することで, 多くの場合, 満足のいく結果を得ることができます.

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