膜厚測定,分光測定,分光エリプソメトリー,スペクトル解析のテクノ・シナジー

分光エリプソメトリーとは: 3. 反射光と透過光の振幅

分光エリプソメトリーとは?

3. 反射光と透過光の振幅

異なる屈折率を持つ媒質の界面で光が反射 / 屈折するとき,媒質境界面に平行な電場成分と磁場成分は,境界面を越えても連続であり,界面における反射 / 屈折の前後で光が増減することはありません. この境界条件から,入射光がどのような割合で反射光,透過光に振り分けられるかが決まります. 図3-1は,入射光,反射光,屈折光の電場ベクトルおよび磁場ベクトルのようすを示したものです.

図3-1 媒質界面における電場および磁場の境界条件
図3-1 媒質界面における電場および磁場の境界条件

図3-1(a) が p 偏光,図3-1(b) が s 偏光です. 図中,(a) の磁場 B と (b) の電場 E は,紙面奥から手前に向かっています. 図3-1 の p偏光, s 偏光それぞれについて,入射媒質中の入射光と反射光の電場水平成分の和は透過光の電場水平成分に等しく,入射媒質中の入射光と反射光の磁場水平成分の和は透過光の磁場水平成分に等しくなります. つまり,電場と磁場に関する境界条件は,次の式にまとめられます.

電場と磁場に関する境界条件の式

これらの境界条件から,屈折率 n の媒質中では E = cB/n が成り立つことを使って B 成分を消去し,次に Etp を消去すれば, p 偏光, s 偏光それぞれの反射振幅,透過振幅を表す次式が得られます.

透過振幅を表す式

ここで, rp は入射 p 偏光の電場振幅 Eip に対する反射光の電場振幅 Erp の比であり, p 偏光の振幅反射係数 ( amplitude reflection coefficient ) と呼ばれます.同様に, tp は p 偏光の振幅透過係数 ( amplitude transmission coefficient ) , rs は s 偏光の振幅反射係数, ts は s 偏光の振幅透過係数です. これらの式は,フランスの物理学者フレネル ( Augustin Jean Fresnel ) の名に因み,フレネルの式 ( Fresnel equations ) ,フレネル係数 ( Fresnel coefficient ) とも呼ばれます.


[5] 田所利康:「ビジュアル解説 光学入門」, 朝倉書店, (2024). >> 書籍紹介ページへ

 

テクノシナジーの膜厚測定システム
膜厚測定 製品ラインナップ
膜厚測定 製品ラインナップ
Product
膜厚測定 アプリケーション
膜厚測定 アプリケーション
Application
膜厚測定 分析サービス
膜厚測定 分析サービス
Service
ページの先頭へ